君から小さくてもいいから愛してよ。

罪深く愛してよ


男として、男にベタベタ触られるのは御免だが、
ヒュンケルの手は気持ち良い、とポップは思う。
けして女の子の手のようにすべすべしている訳ではない。
…というか、全く逆だ。
長い戦いと、欠かす事の無い鍛錬によって培われた手は
すべすべという感触にはほど遠く、むしろごつごつとしている。
だが、その手が優しく、本当に優しく自分に触れようとしてくれるその気遣いが。
何よりも嬉しくて、だからこそ気持ち良い。
あの戦う事しか知らないという無骨な手が触れてくるだけで、
自分が溶け出してしまうかのような熱が駆け巡る。
勿論、男同士のこういった行為が自然じゃない事ぐらい知っている。
それでも。
欲しいと思う事は罪だろうか?




「今日はしてくれねぇの?」
時々、ヒュンケルは自分に触れる事をひどく躊躇う。
こう言ってもヒュンケルは困ったような、すまなさそうな微笑みをするだけで。
それだけ、というのがポップとしては納得がいかない。
「なぁ、ヒュンケル。お前の考えてる事、俺はわかってない訳じゃないんだぞ」
「………」
戦いが終わり、数年が過ぎた今もなお、ヒュンケルが過去に犯した自分の罪に
苛まれ続けている事をポップが気付いていない訳がない。
「でもな、知ってるか?…俺ってすっごくワガママなんだぜ?」
そういって片目を瞑って笑ってみせ…軽いキスをする。
ポップからのキスに驚いたかのようなヒュンケルに、もう一度微笑ってみせた。
本当はいつだってキスしたい。
それをしないのは、ヒュンケルからして欲しいから。
強請ってばかりは、嫌だ。
それで頑ななヒュンケルの心を少しでも動かせるのなら。

いつだってお前の心を叩いてやる。

「してくれよ、ヒュンケル。俺、お前に触れられるの好きなんだ」
甘えながら誘う。
「…俺は、お前が考えている以上に罪深い存在だ」
「罪深い…?それなら俺も同罪じゃん?」
そんな罪深い奴を、俺は好きになっちゃってるんだからさ。
だからさ。
「罪深く愛してくれよ」
俺も罪深く愛すから。
END

あとがき。

割と強気受気味なポップさんのお話。
ていうか、おもいっきり夜のお話。
H→Pも好きですが、P→Hな雰囲気も好き。
Written by HAYANO Nene